葉酸とは?
葉酸とはビタミンB群の一種で、サプリメントとしては女性に人気があります。特に妊娠中の女性において葉酸は胎児への神経管障害予防のために積極的に摂取するべきとされ、基準摂取量も規定されています(400μg/日)。他、葉酸には血栓を防ぐ効果、貧血防止効果、認知力向上効果も認められています。
ビタミンB群には葉酸の他、ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB12などの計8種類を指しますが、それらはお互いに協力して作用するため、サプリメントとして摂る場合にはそれぞれを個別に摂取するよりもビタミンB群としてまとめて摂取するほうが効果が高いとされています。
葉酸がうつ病に効くエビデンス
2015年12月までを対象に4つのデータベースで検索できた無作為化比較試験4報について検討したメタ分析において、うつ病治療に対する補助的な葉酸の摂取はうつ症状に影響を与えなかったが、試験によるバラツキが大きかった (PMID:27113121) 。
「健康食品」の素材情報データベース(http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail605.html)
米国マサチューセッツ総合病院の精神科では、213人の患者を対象に、抗うつ剤の効き方と血中のこれらビタミンの濃度の間に関係があるかどうかを調べました。すると、B12とホモシステインの濃度との関係はまちまちで、結論は出ませんでしたが、葉酸の場合には濃度が低くなると抗うつ剤がきかなくなるということが明らかになりました。葉酸の摂取あるいは葉酸の濃度を高く保つことは、精神の安定に欠かせないことがわかります。
『誰も知らないサプリメントの真実』(高田明和、朝日新書、P153、http://amzn.to/2pk2Vq6)
で、葉酸はうつ病に効果があるか
葉酸のうつ病への効果はまだまだ研究途上であると言えます。「効果がない」のではなく「効くと断定できるだけの証拠が揃っていない」という段階です。
但し、ビタミンB群は糖質や脂質をエネルギーに変換、アミノ酸を体内へ輸送する働きをすることによる疲労回復や神経系への作用・安全性が実証されています。水溶性ですので不要分は尿として体外へ排出されます。
サプリメント愛好者の中には「疲れているなと感じたらビタミンBサプリを大量に摂取すると活力がみなぎる」という人もいます。決して推奨するわけではありませんが、ビタミンB群の疲労回復効果を裏付けるエピソードであると思います。
葉酸に副作用はある?
葉酸はサプリメントとして摂取しても副作用が少なく、安全に使用できます。具体的には1日に1,000μg(1mg)以下では一般的に安全であるとされます。
サプリメントの中には妊娠・授乳中の使用を禁忌とするものが多い中、葉酸は妊娠・授乳中の使用も問題なく、むしろ摂取が推奨されている稀有なものです(下記参照)。
葉酸の1日の摂取量
厚生労働省”「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書“によれば、成人男女における葉酸の耐容上限量は900μg〜1,000μgとされています。耐容上限量とは、この値を超えて摂取した場合に副作用のリスクがゼロではなくなる値のことです。
また、妊婦における葉酸不足が胎児に障害をもたらす可能性があることから、厚生労働省は特に妊娠を希望している女性に対し1日に400μgを摂取することを呼びかけています。同じく、妊娠中の女性は240μg、授乳中の女性は100μgの摂取が推奨されています。
一般的な葉酸サプリメントにおいては1日に200μg〜400μgが摂取目安とされていますから、各サプリメントに記載されている目安量に従って服用することは安全であると言えます。
葉酸が含まれる食べ物
葉酸は緑黄色野菜やレバーに多く含まれていますが、食品中の葉酸は体内に吸収されにくいとされます。特に食生活が乱れがちな人はサプリメントによる摂取が合理的です。
葉酸の摂取タイミング
葉酸を飲むタイミングには諸説あって、市販のサプリメントでも記載にバラつきがあります。「食前に飲む」と書かれているものもあれば「食後に飲む」と書かれているものもある。
ただ、葉酸は食事とともに摂ると吸収率が低下するとされていますので、空腹時に水かぬるま湯で飲むのが良いと思います。ただ、体調や個人差で胃を荒らしてしまうこともあるかもしれませんので、その場合は食後に飲むのが良いでしょう。