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バレリアン・ルートとは?
バレリアン・ルート(単にバレリアンとも呼ぶ)は、ヨーロッパ原産セイヨウカノコソウという多年草のエキスです。古くから伝統医療の中で用いられてきた経緯があり、現在、欧州では不眠症や不安感改善のための医薬品として認定されています。
特にアメリカでは不眠症対策として人気のサプリメントで、全人口の約6%が使用しているとのデータがあります(National Health Interview Survey,2002)。3億人の6%とすれば約1,800万人が使用していることとなり、これはかなりの実績です。
バレリアン・ルートは安全性が高く、副作用や使用中断による不眠などは報告されていません。日本ではサプリメントとしてドラッグストア等で購入することができます。
バレリアン・ルートがうつ病に効くエビデンス
うつと不眠には関係があるようです。事実、うつ病に効く薬や不安を抑える薬は睡眠薬としても用いられています。(略)カリフォルニア大学サンフランシスコ校のベントらは、バレリアンに関する多くの論文の中から検討に値する研究方法を摂っているとされた16論文を選びました。(略)このうち6研究で不眠に効果があったかどうかを判断しています。それによると、80パーセントの人において不眠が改善したとしています。
『誰も知らないサプリメントの真実』(高田明和、朝日新書)
日本で行われた臨床試験では、34名の睡眠障害患者を対象に、バレリアンを投与したところ、主観的な睡眠感の改善が認められた。
『サプリメント事典 第3版』(蒲原聖可、平凡社)
100名以上の被験者を対象にした2つの臨床試験では、いずれもバレリアンの有効性が示されている。たとえば、121名の被験者を用いた臨床試験では、バレリアンを4週間投与したあとに、不眠症改善効果を認めた。
『サプリメント事典 第3版』(蒲原聖可、平凡社)
バレリアン・ルートはうつ病に効果があるか
バレリアン・ルートに不眠症や睡眠の悩みを改善する効果があることは間違いありませんが、うつ病を治癒する直接的な効果があるかどうかは研究段階であり、更なる実証が必要であるところです。
但し、うつと不眠には密接な関係があります。うつ病の初期症状やストレスフルな状況の弊害として「眠れなくなる」ことが挙げられるのは周知の通りです。従って、バレリアン・ルートにうつ状態を直接的に治癒する効果が薄いとしても、睡眠から改善していくことで間接的に状況を打破する原動力になり得る可能性はあります。
また、バレリアン・ルートは不安感や神経症の改善にも利用されており、うつ病改善のサポートとなり得ることが示唆されています。
私は昔から非常に寝付きが悪いのですが、現在「メラトニン」と「バレリアン・ルート」を併用することで眠れないことは殆どなくなりました。おそらく「メラトニン」の効果が大きくて改善されたのだと思うのですが、補佐的にバレリアン・ルートも寝る前に服用しています。
バレリアン・ルートに副作用はある?
バレリアン・ルートは適切に使用すれば副作用は殆どなく、安全性が高いことが確認されています。但し、注意点が2つあります。
ひとつは「長期に渡る過剰摂取は依存性を高める可能性がある」ことです。大きな効果を期待しての摂り過ぎには注意しましょう。適量を遵守していれば心配はありませんし、私は毎晩バレリアン・ルートを飲んで眠りについていますが特に副作用は感じていません。
もうひとつは「理論上、子宮収縮を起こす可能性があるので妊娠中の女性は使用を避ける」ことです。実際に健康被害が起きた例はないようですが、念のために注意しましょう。
バレリアン・ルートの1日の摂取量
バレリアン・ルートは各々の製品によってバレリアン乾燥末の含有量が異なるようなので、一概に「1日に◯◯mg」と一般化できないようです。各サプリメントに記載されている摂取目安を遵守して摂るようにしましょう。バレリアン乾燥末では1.5g〜3.0g相当が1日の適量とされます。
バレリアン・ルートの摂取タイミング
バレリアン・ルートを飲むタイミングは寝る1時間〜30分前です。短期的な入眠効果もありますが、1ヶ月程度摂り続けることで睡眠の質が改善していくとされます。また、不安感の改善のために日中に飲む例もあるようです。