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アセチル-L-カルニチンとは?
アセチル-L-カルニチンは脳に多く存在するアミノ酸です。筋トレやダイエットとして人気のサプリメントである「L-カルニチン」が「アセチル化」したものですが、L-カルニチンを大量に摂取してもアセチル-L-カルニチンになるわけではないので、両者は別物と考えて差し支えないでしょう。
アセチル-L-カルニチンには「認知症予防」「リラックス効果(抗ストレス効果)」が複数の研究によりエビデンスレベルで確認がされており、加えて「抗うつ効果」も実証されています。脳内のアセチルコリン量を増やすことが作用メカニズムであるようです。
アセチル-L-カルニチンがうつ病に効くエビデンス
アセチル-L-カルニチンが、脳内のアセチルコリン量を増加させる働きを持つことから、アルツハイマー病初期症状の改善や進行を遅らせる可能性があるとされています。特に66歳以下の患者、あるいは進行が速い患者で、より効果が現れるとの報告もあります。
『サプリメント健康事典』(日本サプリメント協会、集英社、http://amzn.to/2FQ1MgM)
複数の臨床試験によると、経口摂取で高齢者の気分変調や抑うつの症状を軽減することが示唆されている。
「健康食品」の素材情報データベース(http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail599.html)
9つのランダム化比較試験(アセチル-L-カルニチンで治療した患者231人とプラセボで治療した患者216人、介入していない患者20人)をプールしたデータは、アセチル-L-カルニチンが抑うつ症状を有意に減少させることを示した。
アセチル-L-カルニチンと抗うつ薬を比較した3つのランダム化比較試験(各群162例)では、抑うつ症状の改善において確立された抗うつ薬と同等の有効性を示した。これらの後者のランダム化比較試験では、副作用の発生率はアセチル-L-カルニチン群では抗うつ薬群より有意に低かった。
で、アセチル-L-カルニチンはうつ病に効果があるのか?
アセチル-L-カルニチンはエビデンスに基づけば当サイトの中でもとりわけ「うつ病に効く」と断言しても良い栄養素でしょう。特に加齢に伴って脳内のアセチル-L-カルニチンは減少していくので、高齢者への効果は目覚ましいものがあります。
とは言え、上記に示したメタ分析では特に高齢者に限らず効果があるとみなされているようなので、抗うつサプリとして全年齢に推奨できるものであると言えます。
アセチル-L-カルニチンに副作用はある?
アセチル-L-カルニチンは適切に摂取すれば安全性の高いことが確認されています。具体的には「2,000mg/日の摂取を42日間行っても有害な事象は認められなかった」との報告があります。サプリメントの中でも副作用の極めて少ない部類に入ります。
アセチル-L-カルニチンの1日の摂取量
アセチル-L-カルニチンには特に明確な基準摂取量は定められていませんので、サプリメントに記載の摂取目安に従って服用することとなります。1日1,500mg程度とする製品が一般的です。
アセチル-L-カルニチンが含まれる食べ物
「(ただの)L-カルニチン」は主に肉類に含まれますが、「アセチル-L-カルニチン」は体内で生成されるものですので食品中には殆ど含まれません。サプリメントによる摂取が合理的です。
アセチル-L-カルニチンの摂取タイミング
アミノ酸のサプリメントは食事とともに摂取すると吸収率が低下すると言われています。食品中に含まれる他のアミノ酸と競合してしまうからです。従って、>アセチル-L-カルニチンのサプリメントは空腹時に飲むのが最適です。